On The Sunny Side of The Street
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Grab your coat and get your hat
Leave your worry on the doorstep
Just direct your feet
To the sunny side of the street
Can't you hear the pitter-pat?
And that happy tune is your step
Life can be so sweet
On the sunny side of the street
I used to walk in the shade with those blues on parade
But I'm not afraid this rover crossed over
If I never have a cent
I'll be rich as Rockefeller
Gold dust at my feet
On the sunny side of the street
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1930年の作品。作詞ドロシー・フィールズ、作曲ジミー・マクヒューで、「International revue」というレビューのために書かれました。がこれもレビューの方は失敗作で曲が残った典型のようです。このフィールズ&マクヒューのコンビで他に1927年の『I can't give you anything but love』という曲もありますが、そちらの方はもしかしたら彼等の作品ではなく、別のコンビ(アンディ・ラザフ&ファッツ・ワーラー)から曲を買い取ったという説もあります。しかし、真相はよく分かっていないというのが実情のようです。
この曲も多くのアーティストが取り上げています。サッチモ、ビリー・ホリデー、ジュディ・ガーランド、ドリス・デイ、ジョー・スタッフォード、ペギー・リー、エラ・フィッツジュラルド、バリー・マニロー、ホーリー・コールなど。フランク・シナトラやトニー・ベネットも歌っています。特筆すべきはあのディジー・ガレスピーがソニー・スティット、ソニー・ロリンズの2テナーのもとで歌っているアルバム(「SONNY SIDE UP」)でしょうか。インストではトミー・ドーシー、デューク・エリントン、ベニー・グッドマン、ライオネル・ハンプトン、アーティ・ショーなどこれまた多くのバンドで演奏されています。
上着をつかんで帽子を持って
悩み事は玄関のところに置いて
通りの陽の当たる方へ足を向けてごらん
ほら、パタパタという音が聞こえないかい
そのハッピーな音は君の足音だね
通りの陽の当たる方なら、人生って楽しいよ
僕は憂鬱を抱えてずっと日陰を歩いてきたけど
でももう何も怖くはないよ
だって通りの向こう側に渡ったんだからね
1セントもなくたって、ロックフェラーみたいに金持ちさ
通りの陽の当たる側には足元に金の粉が舞っているからね
何とも大らかな明るい歌詞ですけど、アメリカが不景気のどん底にあった1930年という時代背景を考えると何となく分かるような気もします。これまでは日陰を歩いてきたけれど、これからは陽の当たる側を歩いて行こうよと言って、人々の気持ちが暗く沈んでいる時に何とか明るい未来へ目を向ければきっといいことが待っていると励ましているようです。どこか、戦後日本で流行った『りんごの唄』にも通じるものがあるようにも思います。
まったく個人的なことですが、この曲を聴くと何故か昔の会社の運動会を思い出します。私の勤務していた会社がまだ古き良き時代だった頃、年に一度会社のグラウンドで社内運動会が行われていました。初めの入場行進、競技中の応援、最後の表彰式と我々のバンドがフルに活躍できる絶好の場でした。そして競技を盛り上げる応援歌としてセレクトされた曲の中に必ずこの『On the sunny side of the street』があったのです。この曲の持つ明るくて気持ちを鼓舞するような雰囲気が運動会の応援には合っていたのでしょうか。
そう言えば…、小学校や中学校で運動会の時によくかかっていた曲って、『天国と地獄』とか『ウイリアム・テル序曲』『ラデッキー行進曲』『トランペット吹きの休日』…など、大体お決まりの曲でしたよね。そういう意味では、この曲とか『セッテンバー・ソング』『タキシード・ジャンクション』『枯葉』『茶色の小瓶』などジャズの有名なスタンダードで応援しちゃうなんてちょっと粋でしょ、なんて内心思いながら演奏していたのは多分他のメンバーも同じではなかったかと思っているのですが。(^^ゞ
でも、それももう今となっては遠い昔の、夢のような…古き良き時代のお話でした。
…何故かって?それは、、、『Moonlight Serenade』のコメントを見てくださいな〜(=^_^=)